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TWILIGHT CONCERT
2台のピアノによる《第九》&《くるみ割り人形》~迫昭嘉&有吉亮治
配信日時: 2020年12月23日(水)11:00~2021年3月23日(火)11:00

皆様こんばんは。本日もトワイライトコンサート・ライブ配信をご覧頂きありがとうございます。2020年もすでに師走、、、1年前までの「当たり前」や「良き」と思われることが覆されるような忘れられない年となりました。それでもそれを克服していこうとするのが人間。トワイラ イトコンサートも2月から9月まで中止を余儀なくされ、10月に無観客という形に変え、復活。本当にもとに戻したい、でも戻るとしたらどのく らいの期間がかかるんだ?? これだけ科学が進歩がしているのにいまだ手探り状態、神のみぞ知る未来。それでも先代が築かれた偉大なる伝統>を継承していかなくてはならない!
なーんて真面目な話題は自分には合いませんのでいつも通りに戻します。皆さん12月ですもん、12月らしいことをしましょうよ(安全に)。なの で本日のプログラムはホリデーシーズン感コテコテでベタな「くるみ割り人形」と「第九」の登場ですよん、しかもSD確保のためにこれを2台のピアノでやってしまおうという世相に併せた画期的な企画。クリスマスと年末、日本クラシック界王道レパートリー+アルファのお得感溢れる歳末大売出しプログラムをお楽しみください。
演奏は迫 昭嘉、有吉亮治(Pf)をお迎えしてさらにちょっとしたサプライズもございます、最後までごゆっくりご鑑賞ください。

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893): 「くるみ割り人形」組曲 Op.71a (2台ピアノ版 ニコラス・エコノム編曲)

  1. 小序曲
  2. 行進曲
  3. 金平糖の精の踊り
  4. ロシアの踊り(トレパック)
  5. アラビアの踊り
  6. 中国の踊り
  7. 葦笛の踊り
  8. 花のワルツ

チャイコフスキー三大バレエ「くるみ割り人形」を作曲家本人がいいとこどりした組曲、それをさらにギリシャのピアニスト、エコノムが2台ピアノ版に編曲したもの。
エコノムさん、超多角才能の持ち主だったのに1993年、交通事故でわずか40歳で他界してしまった方なのです。2台のための編曲版、当時29歳だったマルタ・アルゲリッチとエコノムさん自身で1983年に録音され、ドイツ・グラモフォンの知る人ぞ知る名盤となっております。
「くるみ割り人形」、、、ストーリー自体は結構シュールですよ。まあおとぎ話ってこんなもんなのですが、女王ネズミを踏み殺した王子が呪 わられてくるみを割るための人形にされてしまうというエグイ幕開け。ネズミ軍団と主人公クララで一悶着後、王子様は元の姿に戻り、めでた しめでたしで夢の国を周るといういかにも子供が好きそうな展開。
テクニック的には高速同音連打など弾きにくいし、そこそこ一か八かの部分もあるが、そこまで超絶技巧ではないので聴く方も弾く方も夢のよ うに楽しい曲である、特に「花のワルツ」なんていかにもな曲なのに未だにテンション上がります、流石キャッチーなメロディー作りの天才、 チャイコフスキー。
筆者は連弾版しか経験がないのですが、鍵盤上腕交差がやたらあったり高音部担当と低音部担当でペダルを踏みたいところが違ってたり、ペー ジによってどっちが譜めくりがするかなどかなり綿密なリハが必要なのです。それが、、、、、ちょっとした小競合いを発端に、最後には度を 越した主張の連発の果て、相手と目も合わせなくなってしまった状態で本番を迎えてしまったという、、、その時のお客様、ごめんなさい。

アレクサンドル・アルチュニアン(1920-2012): アルメニア狂詩曲

同じアルメニア出身、アルノ・ババジャニアン(1921-1983)との共作。2台ピアノ定番曲の一つで緩→急の二部構成になっております。
前半は舟歌風のオスティナートに乗って朗々と歌い上げ、後半は一気にテンポが速くなり、アクの強い5拍子とアクセントで東欧民族舞曲要素満載で盛り上げます。「東欧民族舞曲」の特徴ってなんぞや?と思われる方いらっしゃると思いますので超簡単に箇条書きします。

  • 打楽器的にピアノを鳴らす
  • 変拍子(3+2の5拍子であったり、3+2+2の7拍子)を多く使用
  • 楽曲中に緩急の差がくっきり分かれている
  • 優雅で美しいというより「生きてるぞ!!」っと言うようにかなり旋律がソウルフル

モンティの「チャールダーシュ」やバルトークの「ルーマニア民族舞曲」なんかが有名ですね。

ベートーヴェン=リスト: 交響曲 第9番 ニ短調 op.125より 第4楽章

交響曲としての完成度があまりにも高すぎるためしばらく交響曲を書く作曲家が現れなかったり、いわゆる「第九の呪い」という都市伝説爆誕 のため、交響曲でダイレクトに「No.9」という曲番をつける事を避ける作曲家がその後出たり、某林檎社の電話の型番が8から10に飛んでいるのはその呪いのせいなどと音楽愛好家のみならずオカルトマニアまで惹きつけてしまうくらい「第九」にまつわるエピソードは多い。
日本では年末年始に仕事がなくなってしまう演奏家の経済対策の為にやりましょうと言うのがきっかけ。それが恒例行事になってしまい主要ホ ールの12月後半「第九」で埋め尽くされてしまう経緯については結構有名だが、こんな高貴な曲なのにあまりに乱発し過ぎでちょっと意識高い 系音楽愛好家にとっては「ベタすぎて聴きに行くのも恥ずかしい」位置づけとなってしまった。
なのでそんな意識の高いあなたにも今宵お届けするのが鍵盤魔術師リストの2台版「第九」。これがまた素晴らしいんですよ。もともとピアノ曲のために書かれているのかってくらいうまく音の配置ができてます。今日は長ーい前置き(第一~第三楽章、もちろんレオノーレもエグモントもありません)がなくいきなり「さび」という超絶エコ仕様。何かと物騒な世の中ですが、たまにはこんな「第九」もええじゃないかと言う 企画。ピアノならではのアレンジをお楽しみください。きっとあなたも「おお、ここはトレモロで表現してるのか!」等と新しい発見があるはず。ちなみにリストは更に音を凝縮してピアノソロ用にもガチで編曲してます。

「ほぼ演奏不可能に近い音符並びなのに全部の音を意地でも弾こうとする(合唱練習のための伴奏譜はそれを決行しようとするとなかなかの地獄)」、「所詮、打楽器なので一度鳴らすと音を引っ張れない性質上、全音符などが続くと不安になり間隔が短くなっていき、結果的にすごいスピードになっていて本当に速く弾かなきゃいけないところで泣きを見る」、「何故かオケより速く弾いてやろうという謎のファイティングス ピリッツが湧いてくる」と唐突に交響曲をピアノで弾いてみるあるあるを羅列してみました。

最後にコロナのせいで「第九(指揮者、オケ、ソリスト、そして合唱)」の演奏会が密不可避な状況下になってしまい、そんな中でも、ものすご い労力や時間を費やし様々な形で、演奏会を実行に向けて努力をされる方々、深く感謝をしております。来年はいつもの「第九」が聴ける・演 奏されるよう切に願っております。

さて、冒頭でお話ししましたサプライズのコーナーです。ソプラノ歌手 谷原めぐみさんの登場でございます。クリスマスソングをお届けいた します。それではよいお年を

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年の瀬にふさわしい
ベートーヴェンの《第九》と、チャイコフスキーの《くるみ割り人形》
名手、迫 昭嘉が、有吉亮治と息の合った演奏で、
クリスマス前の一夜にお届けする音楽の贈り物
プログラム最後には、ソプラノの谷原めぐみを迎えて
クリスマス・ソングもお届けします

演奏
曲目
  • チャイコフスキー(エコノム編):「くるみ割り人形」組曲
  • アルチュニアン:アルメニア狂詩曲
  • ベートーヴェン(リスト編):交響曲 第9番 二短調 op.125 《合唱つき》より 第4楽章/ほか
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