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TWILIGHT CONCERT
ロータス・カルテットのメンバーによる室内楽
配信日時: 2020年10月28日(水)11:00~2021年1月28日(木)11:00

みなさま、お久しぶりでございます。もうなにから言い始めれば良いのやら、一つ言えることは2020年は忘れられない年になることは間違えないでしょう。ベートーヴェン生誕250周年ということで1年を通してそこら中でベートーヴェンが鳴り響くはずだったのに。。。ピアノ弾きの知人に言われた一言、「生誕周年でも一筋縄じゃいかないところがベートーヴェンらしいんじゃね?」、言い得て妙でした。これ以上は突っ込みません。そして本日のプログラムはオール・モーツァルトです。

本日のトワイライトコンサート、密回避のため配信のみ、無観客での初の試みとなります。どのような形になっても「音は止めてはいけない」、演者の方は勿論、収録スタッフの皆様、そして配信放送をご覧になっていただく皆様、全ての方に感謝です。
コロナ禍の初陣を切って演奏される方々はロータス・カルテットのメンバー、小林幸子(Vn)、山崎智子(Va)、齋藤千尋(Vc)のお三方です。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791):ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 変ロ長調 K424
 I. Adagio - Allegro
 II. Andante Cantabile
 III. Thema. Andante grazioso - Variazioni I-VI - Allegro(主題と6つの変奏)
元々はモーツァルトの後任であったザルツブルグでの宮廷・及び教会作曲家・オルガン奏者、ミヒャエル・ハイドン(偉大なハイドンの5歳下の弟でモーツァルトの旧友)が大司教のリクエストによりヴァイオリン・ヴィオラの二重奏を6曲セットで作曲する予定だったが、病気のため4曲書き終えたところで滞ってしまった。たまたまザルツブルグに帰省していたモーツァルトが、その話を知り、彼の作曲技法に寄せ、残り2曲を完成させるといういかにも情が深い奇才モーツァルトらしいエピソードがある。
音域が被り非常に扱いにくい組み合わせであるが、楽器の特性を生かし違和感なく素晴らしい最小編成室内楽を成立させている。ポイントは第2楽章で、可憐な響きなのに情緒豊かに聞こえるところ。「え、もう終わっちゃうの?」という感じでやや規模の大きい第3楽章へ進む。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791): ディヴェルティメント 変ホ長調 K563
 I. Allegro
 II. Adagio
 III. Menuet & Trio (Allegro)
 IV. Andante
 V. Menuet & Trio (Allegretto)
 VI. Allegro
ここでも以前紹介した記憶がうっすらとあるのだが、まずは「ディヴェルティメントとはなんぞや?」って思っている方も少なくないのでは?
自分もピアノ弾きなので、恥ずかしながら大学に入るまで言葉すら知らなく、何かの教本でこの文字を初めて読んだとき「なんか格好いい、重厚な曲のタイトル?」くらいに想像してしまいましたが、いざ調べてみたらお貴族様向け社交場行事のために作られた自由な形式の器楽曲(すごくおおざっぱな調査です)ということがわかり「想像してたのと全然違う、、、」一人で図書室にてニヤニヤしておりました。
楽器の編成も形式・楽章数も自由、今とは時間の流れ方がゆっくりだったであろう18世紀の貴族イベントに併せ時間を稼ぐため、大体のディヴェルティメントは3~8の多楽章形式をとっております。
この曲に関してウィキペディアなんぞ物を覗くとフリーメイソンどうのこうのとオカルトチックなことばかりが書いてあるが、楽曲的には緩急自在に操るモーツァルトは結局のところ素晴らしい。各パートをほぼ公平に役割を担わせることでクァルテット並に響きが充実している。

選曲が2曲とも「flat key」なのが興味深い。基本的に弾きにくい上、響きにくい(ウルフ多し)。開放弦のほうが倍音が聞いて響く(協奏曲にト音、二音、イ音が基軸となる調性が多いのがその証拠」。ただ逆を言えば弦楽器のみの編成だからこそ開放弦に頼らない弦楽器の隠れた「旨味」を引き出せることが出来そうな気がしないでもない。それにしてもモーツァルトらしく単純なスケールやアルペジオがそこら中メロディーとなって表れており基本の「き」の字が完成されてないと、とてもじゃないけど人前で演奏できない、私だったら真っ先に避けるであろう選曲をされた演奏者の方々、頭が下がります。
私の恩師曰く、「モーツァルトを演奏するのは人前で裸になるようなものだ」。
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演奏
曲目
  • モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 変ロ長調 K.424
  • モーツァルト:ディヴェルティメント 変ホ長調 K.563
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